目から感じる「涼」
2026.08.01
目から感じる「涼」
~昔の人の知恵に学ぶ・風のうたとともに~
一方で、昔の日本では、暑さを和らげるために「五感」を使って涼を感じる工夫が数多くありました。特に「目から感じる涼」は、日本人が大切にしてきた夏の知恵のひとつです。
風に揺れる風鈴や簾(すだれ)、朝顔や青もみじの色合い、金魚が泳ぐ姿や水辺のきらめき、透き通ったガラスの器── どれも、見た瞬間にふっと心に風が通るような、そんな涼しさを届けてくれます。
風がそっと通り抜けるときの音、影が揺れる様子、光が反射してきらめく瞬間。
昔の人は、こうした自然の「風のうた」を感じながら、暑い夏を心地よく過ごしていたのだと思います。
青や水色、白などの涼しさを感じる色を身近に取り入れたり、打ち水をして水のきらめきを楽しんだりと、自然を身近に感じながら心にも涼を届けていたそうです。 暑さの中にも、そっと寄り添う「涼」の気配を見つける工夫が、暮らしの中に息づいていました。
風が運んでくる「うた」を感じるということ
風は目に見えませんが、確かにそこに存在し、私たちの心にそっと触れてくれるものです。 葉っぱを揺らす音、風鈴の澄んだ響き、カーテンがふわりとふくらむ瞬間── それらはすべて、風が奏でる小さな「うた」です。
昔の人は、風の音や揺らぎを通して季節を感じ、心を整えていたのかもしれません。 暑さの中でも、風が通り抜ける一瞬の涼しさを見つけることで、心に余白が生まれます。子どもたちもまた、風の存在にとても敏感です。 風が吹くと「気持ちいいね」と言ったり、葉っぱが揺れるのをじっと見つめたり、風鈴の音に耳を澄ませたり。 大人が見過ごしてしまうような小さな変化を、子どもたちはしっかりと感じ取っています。
子どもたちは、大人が気づかないような小さな自然の変化や美しさを感じ取る豊かな感性を持っています。 風が揺らす葉っぱの音、影の形、光の反射、花の色── 「きれいだな」「気持ちいいな」「涼しそうだな」と心が動く体験を積み重ねることは、その感性をさらに豊かに育み、季節を感じる心や自然を大切に思う気持ちにつながっていきます。
夏は、自然がもっとも生命力を発揮する季節です。 強い日差し、濃い影、鮮やかな色、勢いよく伸びる草花。 その中で、子どもたちは五感を通して世界を学び、心を育てています。
「風のうた」を感じることは、ただ涼しさを求めるだけではなく、 自然とつながる感性を育てることでもあります。
園でも、安全な環境を整えながら、夏ならではの自然や風景、色や音に親しみ、子どもたちが本来持っている豊かな感性を大切に育んでいきたいと思います。
風が通り抜けるときの心地よさ、影が揺れる美しさ、水のきらめき、草花の色── そうした小さな「涼」を子どもたちと一緒に見つけながら、 暑い夏の中にも、心がふっと軽くなる瞬間を大切にしていきたいと考えています。
風が運んでくる小さな「うた」を、子どもたちと一緒に感じながら過ごしていきたいと願っています。














